日本におけるヨガ人口は年々増え続け2017年には約590万人といわれるほど、ヨガに注目をしている人は増えています。
ヨガを行う目的には、女性の場合には美容や体型維持のためという方が多いという特徴があります。
実際にヨガを行って痩せた、ダイエットができた、という人も多くいますし、何よりインストラクターにはほっそりと引き締まった体系の方が多いですよね。
このようにダイエットに良さそうなイメージがあるヨガですが、ヨガで本当に痩せられるのでしょうか。
ヨガで痩せることは難しいケースも
ヨガは紀元前2500年ごろにインダス文明が起源で、心と身体を繋ぐために行う瞑想のことを指していました。今のヨガのようにさまざまなポーズがまとめられてきたのは、500年程前です。
もともとが瞑想のことを際していたヨガは、そもそも消費カロリーという面では非常に少なく、決してダイエット向きとは言えないものです。
ただ、ヨガの歴史の中で、さまざまな種類のヨガが生まれ、中には消費カロリーが高いヨガも生まれてきています。種類によっては消費カロリーが高く、短期間のダイエットに向いているものもあります。
ダイエット向きのヨガはホットヨガ
実際にヨガの種類別の消費カロリーをみてみましょう。
ホットヨガ(高温多湿の環境下でおこなうヨガ)328kcal
アシュタンガ(ダイナミックな動き)214kcal
パワーヨガ(動と静のポーズを連続的に行う)200kcal
ハリウッドヨガ(エアロビクスの要素をプラスしている)185kcal
アイアンガーヨガ(ポーズを一つずつ長く取る)175kcal
ハタヨガ(ヨガの元祖と呼ばれ、ポーズが多い)110kcal
・・・など。
消費カロリー順に並べてみましたが、最も消費カロリーが多いホットヨガの場合には、バレーボールやフットサルといったかなりハードなスポーツと同等の消費カロリーがあることが分かります。
一方でヨガの元祖ともいわれているハタヨガの消費カロリーは、洗濯をした場合や散歩をした場合程度の消費カロリーになるため、ダイエット向きの運動とは言いにくくなります。
ダイエットのために行うヨガとしては、ホットヨガやヨガの中ではダイナミックな動きが特徴となるアシュタンガやパワーヨガなどがおすすめといえます。
ホットヨガのダイエット効果と注意したいポイント
10種類のヨガの中でも最もダイエット向きといえるホットヨガがどのようなダイエット効果があるのか、また、ホットヨガを行う上で注意しておきたいポイントについてご説明していきます。
ホットヨガはその特徴として、高温多湿の環境下で行うというものがあります。
実際にホットヨガのスタジオに入るだけで、体が温まり汗が出てくることもあります。ちょうど日本の真夏の環境がスタジオ内に再現されている状態です。
普段は身体が硬いという人でも、この環境かでは体が温まり普段より柔軟性が高まったり、冷え性の方でも汗をかきやすいという特徴があります。
デトックス効果が高く、めぐりの改善効果も高いため、体の中の老廃物を排出し、体の内側から痩せやすい身体づくりをしていくことができます。身体の柔軟性も高くなるため、普段伸ばせない筋肉を伸ばせたり、インナーマッスルも鍛えることも可能です。
ダイエットを行う上で大切な、老廃物の排出と基礎代謝のアップを効率的に行えるのがホットヨガということができます。
ホットヨガと一言で言っても、実際にはさまざまなプログラムがあります。
ホットヨガスタジオLAVAの例で見てみましょう。
- リラックスヨガやデトックスヨガは運動強度が低く運動というよりはリラックスがメイン
- ヨガベーシックやハタヨガビギナーは運動強度が高くなく初心者向き
- 美脚ヨガやお腹引き締めヨガは中等度の運動強度で引き締め効果が高い
- ヨガアドバンスやパワーヨガ中級は比較的運動強度が高く慣れてきた人向き
- パワーヨガ上級やヨガフローアドバンスは上級者向きで非常に運動強度が高い
一言でホットヨガといっても、選ぶプログラムによっても消費カロリーは大きく変わってきます。ダイエット目的であればより運動強度が高い者の方が効果は高くなりますが、体にかかる負担が大きく、熱中症などになってしまう危険性が出てきます。
上級者のプログラムになってくるとポーズ自体も複雑な物、難易度が高いものなどが増えてくるため、ヨガを初めて日が浅い人が上級者向けプログラムに参加することは非常に困難です。
早くダイエット効果を出したいと思っても、少しずつ慣れていくことが必要です。
通常のヨガは痩せるための体づくりができる
ホットヨガに比べると、通常のヨガは比較的運動に適した環境下で行われることも多く、環境が体に負荷をかけるということは少なくなります。さらに自分に合ったプログラムさえ選べば、大きな負担をかけることないという特徴もあります。
短期間でのダイエット効果を期待することは難しい反面、少しずつ体幹を鍛え痩せやすい身体づくりができるという特徴があります。
ヨガによるダイエット効果は決して大きなものではなくても、続けることで痩せやすくなる効果が期待できます。
ヨガは有酸素運動。鼻から吸って鼻から吐くのが基本
ヨガを行うときには、呼吸を意識することが基本となります。ポーズをとる時にも呼吸を止めないで行いますし、ヨガの始まりは蓮華座になり呼吸を整えることから始まることが多くなります。
「鼻から吸って鼻から吐く」
というのがヨガの呼吸の基本ですが、これ以外にも腹筋を使いながら素早く呼吸をするカパラバディという呼吸方法や、口から吸って鼻から吐くシータリーという呼吸法があるなど、呼吸を意識することが必要になってきます。
ヨガは有酸素運動であるということがよく分かります。
体脂肪を燃焼させるためには酸素をたっぷりと取り込むことが必要なので、ヨガは脂肪燃焼効果がある運動ということになります。
さらに有酸素運動は20分以上継続して行うことで脂肪燃焼効果が得られますが、ヨガは種類によっては長い時間運動を続けられる運動強度になっているため、20分以上継続させることもしやすいですよね。
有酸素運動であり継続させやすい運動であるヨガは、脂肪燃焼効果が期待できます。
空から引っ張られているように姿勢をまっすぐすることで歪みを改善
ヨガは座位では骨盤を立たせてしっかりとお尻を床につけ、背筋をまっすぐにする。立位でも背筋を伸ばし、頭を空から引っ張られるような意識で立つことを求められます。
つまり、姿勢を正しく取ることが求められるため、自然と正しい姿勢を身に着けていけます。正しい姿勢を身に着けることで、姿勢が歪んでいることで起こるつまりを改善できます。
- 首の前傾
- 猫背
- 骨盤のゆがみ
これらは血管やリンパ管を圧迫し、つまりを起こす原因ですが、ヨガで正しい姿勢を身に着けることで、つまりの改善を目指せます。
必要なものを送り届け、不要な物を排出するというめぐりがよくなることで、体の中から要らないものを排出するデトックス効果を得られます。
さらに、ヨガはどちらかといえばじっとりとした汗が出始める傾向があります。このヨガでかく汗は老廃物を含む汗です。汗によるデトックスも可能ということが分かります。
鍛えられるのは体幹。基礎代謝を上げて痩せやすい身体に
ヨガのポーズには日ごろ使わない筋肉を使う動きが沢山あります。とくにインナーマッスルと呼ばれる体幹の筋肉を鍛えられることは有名ですよね。
ヨガの中でも有名なポーズの一つ、上向きの犬のポーズは、背中痩せのポーズとしても有名ですが、首から胸、みぞおち、お腹周りなど体の表にストレッチをしっかりとかけられるポーズでもあり、腹横筋というインナーマッスルを鍛えることができます。
木のポーズも内転筋という太ももの内側の筋肉を使うポーズになるため、普段使われない内転筋のトレーニングになるポーズになります。
このような体幹の筋肉や普段使われない筋肉を使うポーズをとることで、自然と筋肉が鍛えられ、基礎代謝を上げることができるようになってきます。
パワーヨガの基本となる「太陽礼拝」という一連のポーズを行ってみると、普段使うことが少ない筋肉が気持ちよく伸びるのを感じられます。